小説や漫画を読んで映画やアニメを観る人が、これまで読んだものや観てきたものを気ままに紹介したり、感想を書いたりするブログ。ドラえもん大好きでン十年過ごしてます
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国民的かつ、あまりにも優れているギャグ漫画「ドラえもん」のあまりにも売れているてんとう虫コミックス版。
私が最初に手にしたのは第17巻。アニメしか知らなかった私には何もかも新鮮で笑えました。
F氏が稀代の短編作家・ストーリーテラーだと私のバイブル的サイト・変ドラで述べられてましたが、あまりにもその通りでした。
さてこの17巻ではドラファン、藤子ファンの間では伝説的エピソードである
[バイバイン](小学三年生78年2月号)
が収録されてます。
[バイバイン]
が何でこんなに面白いのかは既にあちこちのサイトで語られ尽くされていて私の入る余念が無いんですが、17巻でも最初の話であり、ブログ最初の記事であるので、今回はこの
[バイバイン]
を稚拙ながら紹介しようと思います。(よくわからん)
私が最初に手にしたのは第17巻。アニメしか知らなかった私には何もかも新鮮で笑えました。
F氏が稀代の短編作家・ストーリーテラーだと私のバイブル的サイト・変ドラで述べられてましたが、あまりにもその通りでした。
さてこの17巻ではドラファン、藤子ファンの間では伝説的エピソードである
[バイバイン](小学三年生78年2月号)
が収録されてます。

が何でこんなに面白いのかは既にあちこちのサイトで語られ尽くされていて私の入る余念が無いんですが、17巻でも最初の話であり、ブログ最初の記事であるので、今回はこの
[バイバイン]
を稚拙ながら紹介しようと思います。(よくわからん)
ドラファンにとってはもはや伝説的なストーリーになっているこのお話。
長寿漫画であるドラえもんにもパターンがあるんですが
だいたいは
「ドラえもんが暴走する」
「のび太が暴走する」
「道具が暴走する」
かなり大雑把にやってもこんな風になります。
「ドラえもんが暴走する」は連載初期に集中していて、のび太の未来を救う使命そっちのけな危ないドラえもんが見れるパターン。
「のび太が暴走する」は初期から満遍なくあるが、のび太が憂さを晴らしたりする過程で話のネジが外れて暴走するパターン。
バイバインは最後の「道具が暴走する」パターンの話で、持ち主のドラえもんでさえ手に負えない道具が話をぶち壊す、なんでこんな道具持ってるのか、というかなんでこんな道具思いついたのか、当時のF氏の暴走が垣間見えるパターンです。
ひどいこと言うと全てのパターン、F氏が暴走してるとしか思えない話ばっかなんですが。

扉の絵からして怪しさ爆発です。
何故か口に大量に突っこまれた栗饅頭。一見爆笑ものですが、
のび太の普段見ないギリシャ文字のφのような苦悶の眼が、いつもと違うヤバそうな雰囲気を漂わせています。
とにかく、まともな話にはなりそうにないことを既に読者に宣言してるんじゃないでしょうか、これ。
「この栗饅頭、食べるとうまいけどなくなるだろ」
「食べないとなくならないけど、うまくないだろ」
「食べてもなくならないようにできないかな」
いつものように始まるのび太の常識にとらわれない難題。
かぐや姫も真っ青な要望を次々あげてくるのび太ですが、今回は標準よりやさしめですね。(標準って何だ)
ドラえもんも(+)(+)な十字の眼で呆れるが、すぐに例の「バイバイン」を取り出す。
「やっぱりやめた!危ないから」
しかし何か察知したのか、すぐしまってしまう。
ここのやめる所が扉絵からの不安感を煽ってるようです。
この「やっぱり駄目だから道具をしまう」理由は
「のび太がろくな使い方をしない」
「道具そのものがヤバい」
というのが挙げられますが、今回は後者。
その今回のは他の道具の追随を許さないヤバさなんですが。

丸が二つのパッケージデザイン。ひょっとしてこれは数学用語の∞(無限大)を表してるんじゃないか?
この話の掲載誌は小学三年生ですが、無限大なんて知ってる子はそうそういないでしょう。私も最初に読んだ頃は特に何とも思わなかったし。
ホントとすれば、小学三年生に高度な数学用語を躊躇なく載せるF氏に改めて感服。
結局は「増えた饅頭は残さず食べる」条件でバイバインをかけてもらいます。
5分ごとに1個が2個、2個が4個と2乗倍に増えていく。
だからバイバインと洒落のきいたネーミングですね。「4個が8個になって、8個がたくさん」とさり気なく出ているのび太の爽やかなダメっぷりが笑いを誘ってます。
和やかに増えるのを待ちますが、それまでの読者の和やか感を打ち砕くのがその増えるシーン。

怖っ!!
のび・ドラを見せずに、皿をアップさせて3コマかけて行われる、妙にリアリティのある増え方。
見ようによっては得体の知れない恐怖を感じる読者もいたことでしょう。私の場合なんか怖っ!!でした。擬音が怪しさを引き立てているんでしょうか。「プク」はともかく「パカ」って…変なバイオ生物が入ってそうな音だよ。
もう、この時点でドラえもん版増殖ホラーは始まっています。誰も逃げることはできない。
ここで食べようとするドラえもんだが
「あと5分待てば4個になるから」
と押しとどめるのび太。ズケズケといつもの強欲ぶりを出してます。キミ一人が残しとけばいいじゃないの、と思われるが、そこはのび太だし。
ドラえもんは呆れたのか立ち去り、のび太一人、パクパクとくり饅頭を食べます。
10分待って3個ずつ食べようとしているからか、腹もふくれて食べ飽きる。
ママを呼んで消化させようとしますが、どうしても1個余ってしまいます。
この間パカパカと少しずつ増えていく栗饅頭がどうしても不気味。

ドラえもんには「スイスイスーダララ」だの「ハレ~」だの、読者を笑わせるためには容赦しないF氏謹製の謎擬音が数多く存在しますが、17巻でも屈指の謎擬音がこれ。「ゲープ」
「ゲップ」や「ゲプ」じゃなく、「ゲープ」ですよ。「ゲ~プ」でもなく。妙にやる気のなさそうな、それでいて「もうたくさんだよ」感丸出しのゲップです。
次いでしずちゃん、スネ夫、ジャイアンを呼んで食べてもらおうとしますが、これも失敗。

「体じゅうが甘ったるくなった」と語彙のある満腹宣言。17巻の名言のひとつ。
その間もパカパカ増え続ける栗饅頭無間地獄。困り果てたのび太はこれを

投棄!
責任と約束を不法投棄。いやあ、どっかの増殖ホラー映画を見てるような投棄っぷり。もう誰も止められない。(饅頭を)
その後、ドラえもんには全部食べたとウソをつくが、ドラえもんのとんでもない説明が。


ここまでわずかながら抱いていた読者の不安を爆発させる恐ろしい理数系説明のオンパレード!
「うわあ…早く、早く食えよ」が「うわああああ!」に変わる!読者とのび太がシンクロする!こうなるともう遅い。

地獄絵図。
たかが栗饅頭でこのホラー的展開。
こんな絵の中で栗饅頭が増え続けていると考えると卒倒する自信があります。

そして最後はこれ。
何も解決せずに終わる。
栗饅頭は最終的に宇宙でブラックホール化してるだの、ファンの間で色々推測が飛び交うんですが、すごくどうでもいい。F氏の知的な暴走が心地よくてとても怖い。
とにかく、この話は漫画で最初に読んだドラ話として強烈に印象付けられてます。友人と話してるとまず怖い話でバイバインが出てきますね。私が一番怖いのは14巻の「人食いハウス」ですが。
(私のバイブル的ドラサイト・変ドラで詳しく特集されてます。文章がめっちゃ面白いです)
では、次回。
長寿漫画であるドラえもんにもパターンがあるんですが
だいたいは
「ドラえもんが暴走する」
「のび太が暴走する」
「道具が暴走する」
かなり大雑把にやってもこんな風になります。
「ドラえもんが暴走する」は連載初期に集中していて、のび太の未来を救う使命そっちのけな危ないドラえもんが見れるパターン。
「のび太が暴走する」は初期から満遍なくあるが、のび太が憂さを晴らしたりする過程で話のネジが外れて暴走するパターン。
バイバインは最後の「道具が暴走する」パターンの話で、持ち主のドラえもんでさえ手に負えない道具が話をぶち壊す、なんでこんな道具持ってるのか、というかなんでこんな道具思いついたのか、当時のF氏の暴走が垣間見えるパターンです。
ひどいこと言うと全てのパターン、F氏が暴走してるとしか思えない話ばっかなんですが。
扉の絵からして怪しさ爆発です。
何故か口に大量に突っこまれた栗饅頭。一見爆笑ものですが、
のび太の普段見ないギリシャ文字のφのような苦悶の眼が、いつもと違うヤバそうな雰囲気を漂わせています。
とにかく、まともな話にはなりそうにないことを既に読者に宣言してるんじゃないでしょうか、これ。
「この栗饅頭、食べるとうまいけどなくなるだろ」
「食べないとなくならないけど、うまくないだろ」
「食べてもなくならないようにできないかな」
いつものように始まるのび太の常識にとらわれない難題。
かぐや姫も真っ青な要望を次々あげてくるのび太ですが、今回は標準よりやさしめですね。(標準って何だ)
ドラえもんも(+)(+)な十字の眼で呆れるが、すぐに例の「バイバイン」を取り出す。
「やっぱりやめた!危ないから」
しかし何か察知したのか、すぐしまってしまう。
ここのやめる所が扉絵からの不安感を煽ってるようです。
この「やっぱり駄目だから道具をしまう」理由は
「のび太がろくな使い方をしない」
「道具そのものがヤバい」
というのが挙げられますが、今回は後者。
その今回のは他の道具の追随を許さないヤバさなんですが。
丸が二つのパッケージデザイン。ひょっとしてこれは数学用語の∞(無限大)を表してるんじゃないか?
この話の掲載誌は小学三年生ですが、無限大なんて知ってる子はそうそういないでしょう。私も最初に読んだ頃は特に何とも思わなかったし。
ホントとすれば、小学三年生に高度な数学用語を躊躇なく載せるF氏に改めて感服。
結局は「増えた饅頭は残さず食べる」条件でバイバインをかけてもらいます。
5分ごとに1個が2個、2個が4個と2乗倍に増えていく。
だからバイバインと洒落のきいたネーミングですね。「4個が8個になって、8個がたくさん」とさり気なく出ているのび太の爽やかなダメっぷりが笑いを誘ってます。
和やかに増えるのを待ちますが、それまでの読者の和やか感を打ち砕くのがその増えるシーン。
怖っ!!
のび・ドラを見せずに、皿をアップさせて3コマかけて行われる、妙にリアリティのある増え方。
見ようによっては得体の知れない恐怖を感じる読者もいたことでしょう。私の場合なんか怖っ!!でした。擬音が怪しさを引き立てているんでしょうか。「プク」はともかく「パカ」って…変なバイオ生物が入ってそうな音だよ。
もう、この時点でドラえもん版増殖ホラーは始まっています。誰も逃げることはできない。
ここで食べようとするドラえもんだが
「あと5分待てば4個になるから」
と押しとどめるのび太。ズケズケといつもの強欲ぶりを出してます。キミ一人が残しとけばいいじゃないの、と思われるが、そこはのび太だし。
ドラえもんは呆れたのか立ち去り、のび太一人、パクパクとくり饅頭を食べます。
10分待って3個ずつ食べようとしているからか、腹もふくれて食べ飽きる。
ママを呼んで消化させようとしますが、どうしても1個余ってしまいます。
この間パカパカと少しずつ増えていく栗饅頭がどうしても不気味。
ドラえもんには「スイスイスーダララ」だの「ハレ~」だの、読者を笑わせるためには容赦しないF氏謹製の謎擬音が数多く存在しますが、17巻でも屈指の謎擬音がこれ。「ゲープ」
「ゲップ」や「ゲプ」じゃなく、「ゲープ」ですよ。「ゲ~プ」でもなく。妙にやる気のなさそうな、それでいて「もうたくさんだよ」感丸出しのゲップです。
次いでしずちゃん、スネ夫、ジャイアンを呼んで食べてもらおうとしますが、これも失敗。
「体じゅうが甘ったるくなった」と語彙のある満腹宣言。17巻の名言のひとつ。
その間もパカパカ増え続ける栗饅頭無間地獄。困り果てたのび太はこれを
投棄!
責任と約束を不法投棄。いやあ、どっかの増殖ホラー映画を見てるような投棄っぷり。もう誰も止められない。(饅頭を)
その後、ドラえもんには全部食べたとウソをつくが、ドラえもんのとんでもない説明が。
ここまでわずかながら抱いていた読者の不安を爆発させる恐ろしい理数系説明のオンパレード!
「うわあ…早く、早く食えよ」が「うわああああ!」に変わる!読者とのび太がシンクロする!こうなるともう遅い。
地獄絵図。
たかが栗饅頭でこのホラー的展開。
こんな絵の中で栗饅頭が増え続けていると考えると卒倒する自信があります。
そして最後はこれ。
何も解決せずに終わる。
栗饅頭は最終的に宇宙でブラックホール化してるだの、ファンの間で色々推測が飛び交うんですが、すごくどうでもいい。F氏の知的な暴走が心地よくてとても怖い。
とにかく、この話は漫画で最初に読んだドラ話として強烈に印象付けられてます。友人と話してるとまず怖い話でバイバインが出てきますね。私が一番怖いのは14巻の「人食いハウス」ですが。
(私のバイブル的ドラサイト・変ドラで詳しく特集されてます。文章がめっちゃ面白いです)
では、次回。
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